高断熱・高気密な住宅に発症しやすいシックハウス症候群の対策として、建築基準法では化学物質の発散量が少ない建材を用いることが定められています。
それに加えて、原則ですべての建物に換気設備を設置して、室内に発散される化学物質の濃度を下げることが義務付けられているのです。
一般の住宅では機械換気が換気プランに取り入れらます。
機械換気は換気ファンといった機械により、強制的に給排気を行って換気量を確実に確保できるものです。
この機械換気には3種類がありますが、通常で用いられる種類が第1種換気か第3種換気のどちらかになります。
■第1種換気とは
第1種換気は、給排気と同時に換気ファンを使って強制的に換気する方法です。
強制的なので給排気量を確実に確保でき、空気の流れも制御しやすいので気密性の高い建物最適な種類になります。
気密性の高い建物以外でも、風通しの悪い環境でも確実に換気をすることが可能です。
ただ、すべて機械操作であるため、イニシャルコストやライトニングコストはややかかってしまうでしょう。
また、第1種換気では熱交換型もあります。
熱交換とは室内の汚染された空気を排出すると同時に、熱の一部を回収して室内に取り込まれる外気に移すことです。
なので、室温変化が少ないというメリットがあります。
熱交換にも全熱交換型と顕熱交換型の2種類があり、全熱交換型では熱だけではなく空気も同時に交換する特徴があるので、室内の温度を一定に保つことが可能です。
一方、顕熱交換型は熱だけを交換するのが特徴なので、調湿対策が欠かせません。
■第3種換気とは
第3種換気は、換気ファンによって強制的に換気を行い、給気に換気口を用いた換気設備です。
換気が機械換気であるため、壁内に湿気が入りにくいメリットがあります。
比較的な安価で一般的に用いられるタイプですが、気密性によって給気量が変化するケースも多いです。
換気プランではトイレやキッチンなどの異臭や熱気、汚染空気が発生しやすい場所に排気ファンを設置し、給気口はリビングや寝室など新鮮な空気が必要となる場所に設けることが一般的です。
取り込んだ外気を通気口が設けられたドアや引き戸、折戸などを通じて家全体に流し、換気ファンから排出するという仕組みになります。
ダクトを使用しないタイプが一般的ですが、プランに応じてダクトによって外へ排気する方法を使うこともあります。
■冷暖房機能が備わった全館空調
空調機器の種類には換気システムに加えて冷暖房を一体化させた全館空調も存在します。
全館空調では換気と冷暖房のユニットがダクトで結ばれており、吹き出し口から一定温度に保たれた空気を全館に送りだすので、部屋ごとにエアコンなどの設備を設置する必要がありません。
便感を通じて部屋や廊下、家中の温度を一定に保てるので、夏の熱帯夜や冬場の寒さなども感じにくく、快適に過ごせることがメリットです。