機能ガラスとは何かしらの機能を持たせてあるガラスのことです。
ガラスの種類によって性能が異なるため、種類と特徴をご紹介します。
■複層ガラス
スペーサーという部材により、2~3枚の板ガラスの間に空間層をつくり、乾燥した空気を取り込んで断熱効果を高めたガラスです。
結露がしにくく、冷暖房の消費を抑えられるので省エネ住宅でも採用されます。
また、より性能を高めた低放射(Low-E)複層ガラス、ガラスの間に特殊な金属膜でコーティングしてあったり、他にも遮熱、もしくは断熱性に優れた商品も多いです。
地域性や窓の配置によって使い分けるのも良いでしょう。
■遮熱複層ガラス
このガラスは室外側に低放射ガラスを使ったもので、夏場の日差しを遮ることが可能です。
さらに、冬場は室内の暖房熱を反射して漏れを防ぐため、冷暖房の負担を抑え省エネに繋がります。
夏は涼しく、冬は暖かいという性能から西日が当たる部屋、紫外線での色褪せを防止したい場合におすすめです。
■高断熱複層ガラス
こちらは室内に低放射ガラスを導入しているガラスです。
太陽の光を取り入れ、さらに暖房のエネルギーを逃すのを抑え、断熱性や保温性に優れています。
その性能から結露を防止できるので、寒冷地域に向いているでしょう。
■多機能な複層ガラス
上記の複層ガラスで使われる2枚のガラスのうち、どちらかに合わせガラスや強化ガラスを用いる多機能の複層ガラスがあります。
また、最近はさらに性能を向上させたトリプルガラスもあるので、必要に応じて検討しましょう。
■その他の複層ガラス
複層ガラスに用いられるガラスの厚さを変えるだけでも、遮音性を高める異厚複層ガラスがあります。
また、ガラスの間にアルゴンガスやクリプトンガスなどを入れた「ガス入り複層ガラス」、ガラス間にブラインドを入れて遮熱性を向上させたブラインド入複層ガラスなど、様々な機能が備わる複層ガラスが登場しています。
■強化ガラス
強化ガラスは安全ガラスとも呼ばれており、通常のガラスよりも耐風圧強度が強いガラスです。
一般ガラスに分けられる「フロート板ガラス」を高熱処理し、急激に冷やしてつくられています。
熱に強く、割れても顆粒状となるので大怪我もなく安全です。
透明タイプと半透明タイプがあり、インテリアに合わせて選ぶこともできます。
強化ガラスは窓以外にもガラス入り玄関ドアや室内扉、収納扉などにも使われることが多いです。
なお、割れにくいものの防犯性を高めるものではないので注意しましょう。
■合わせガラス
2枚以上のフロート板ガラスの間に、特殊なフィルムの中間膜を挟んで加熱・圧着させているガラスです。
風圧に強く、中間膜の効果によって割れてしまっても破片が飛散することがほとんどありません。
中間膜の厚さや性能を工夫させ、様々な特徴を持つ商品も多いです。
例えば、厚いフィルムの中間膜にすることで防犯性を高めた防犯ガラスや特殊な中間膜が備わる防火ガラス、遮音効果のあるフィルムを用いた防音ガラスなどがあります。