瓦は長い目で見ればそれほど高くない屋根材

■様々な種類がある屋根瓦

瓦にも様々な種類があり、大きく分けると粘土から造られるいぶし瓦、陶器瓦などがあります。
さらに形状から分類すると丸瓦、和瓦、平瓦、スパニッシュ瓦、棟瓦、軒瓦、鬼瓦などがあり、細かく部位を分ければ数十種類もあります。
ストレート瓦やセメント瓦、金属製瓦などの言葉がありますが、それらは本来の粘土から造られた瓦を似せた物です。
では、粘土から造られる瓦で代表的な種類をご紹介します。
・いぶし瓦
いぶし瓦はツヤありとツヤなしで、だいぶ印象が変わります。
ツヤありでは銀色のツヤが優雅に見えるでしょう。
一方、ツヤなしでは控えめな上品さを演出することができます。

・陶器瓦
土そのものの色や味わいを感じさせる瓦です。
洋風建物にピッタリの建材になります。
釉薬を塗った瓦なら、赤色の光沢感が美しさをより引き立たせるでしょう。

■屋根瓦は長い目で見れば高くはない

 

家づくりではコストを下げるために、つい工事金額に目が向かってしまうでしょう。
屋根瓦は高いイメージが強く、イニシャルコストが安価なアスファルトシングルや化粧ストレートを選ぶケースも少なくありません。
1平方メートルあたりの工事費込みの屋根材の価格を見てみましょう。

・瓦:8000~12000円前後
・アスファルトシングル:4000~6000円前後
・化粧ストレート:5000~7000円前後
・金属板:6000~10000円前後

これを見ると瓦は他の屋根材よりも高いですが、瓦はメンテナンスがほとんど不要というメリットがあります。
屋根瓦は約10年に1度の定期点検で済みますが、例えば化粧ストレート瓦では7~15年に一度、塗装補修をする必要があるのです。
ライトニングコストを配慮すれば、瓦は長い目でコストカットに向いている屋根材と言えるでしょう。

 

新築で屋根瓦!地震に弱いのは本当なの?

古い日本家屋の多くで屋根瓦が採用されていましたが、コストや地震対策で現在は敬遠されつつあります。
日本家屋風に新築を建てたい場合、屋根瓦を採用したいと思う方もいらっしゃいます。
では、本当に屋根瓦は地震に弱い建材なのでしょうか。

■屋根瓦は地震に弱いって本当?

「瓦は重いから地震で揺れやすくて弱い」、「地震が発生した屋根瓦の近くは危険」という話を聞いたことがある方も多いでしょう。

実際のところはどうなのでしょうか。
以前の建物でしたら、屋根瓦は地震に弱かったと言えます。
地震に対する建築基準法に基づく設計耐力はそれほど強くなく、職人側にも浸透していたとは考えられるでしょう。
大工経験によって建てられた木造住宅も多くはなかったと思われます。
しかし、大震災が発生するたびに建築基準法の改正され、重い屋根と軽い屋根のそれぞれに設計基準が強化されるようになってきました。
なので、現在は地震に対する耐力も向上しています。
また、瓦も揺れなどの落下を防ぐため、固定工法もしっかりと施されているケースがほとんどです。
さらに、瓦メーカーでも重量のある瓦を軽くするような工夫も検討されており、見えない裏側の不要な部分を反り、軽量化を図った瓦も製造されています。
他にも変わらズレを防止するために突起がつけられたり、上下左右の瓦が浮き上がるのを防ぐためにツメがついた瓦などが商品化されたりしているのです。