■夏を中心にした日本建築

日本人が古くから大切にしているものは、さりげない目配りや気配りと考えられます。
特に夏場はすだれや風鈴など、和の演出にピッタリな季節です。
それは日本建築の場合、夏を中心に考えて通気性を重視した構造で対処を行っていたからになります。
しかし、現在は冷暖房が普及し、従来の構造では効率が悪いので、気密性や断熱性を重視した住まいづくりが中心です。
快適さはアップしましたが、日々の生活を楽しむ要素は少し薄いとも言えます。
そこで、和の心を取り入れた工夫はいかがでしょうか?

■リビングコーナーに置き畳

畳の独特な肌触りは魅力があり、さらに冬は調湿作用もあります。
畳の香りを感じながら大の字で横になるなど、くつろぎスペースの活用にもおすすめです。
また、赤ちゃんが遊んだり、昼寝をしたりと様々な目的で活用できます。
リビングコーナーに置き畳を設置する場合は、新築の計画段階からスペースを考えていきましょう。
事前に使い勝手をイメージしておくと、家具や照明の配置、コンセント数などを考えやすくなります。

■建具に工夫を施す

和といえば紙貼障子もおすすめです。
紙貼障子にはたくさんの種類があるので、デザイン性や機能性も充実しています。
猫間障子は小障子が上下に動くので、柔らかい自然光を室内に取り込み、さらに空間に広がりを与える効果があるでしょう。
左右に動く引分け猫間障子であれば、和室でなくても取り入れやすい紙貼障子です。
また、寝室の窓内側に障子を導入すると結露の防止になり、保湿力を高める効果もあります。

■インテリア小物を取り入れる

和風のインテリア小物はたくさんあります。
建具は簡単に変えられなくても、インテリア小物なら季節に応じて変えることもできるでしょう。
代表的な小物といえば、すだれや屏風などです。
建物の工夫としては、寒い冬は暖かい空気を逃さないために厚手のカーテンにしたり、夏は通気性を高めるためすだれを設置したりできる工夫が必要になるでしょう。