■無垢の木の安眠効果

無垢材と新建材を使用した室内で安眠効果の実験をすると、無垢材の方が深い眠りに長くつき、浅い眠りは短いというデータがあります。
睡眠は「覚醒期」「睡眠段階1~3」「レム睡眠」の3段階に分類できます。
その各段階の合計時間を算出する検証だったのですが、体は寝ていても脳が起きている状態に近いレム睡眠の合計時間では、新建材の室内はレム睡眠が長い結果でした。
しかし、深い眠りで人の呼び掛けにも反応しにくい睡眠段階3の合計時間の場合は、無垢材の室内の方が長い結果だったのです。
これにより、無垢材を使った室内の方が、質の良い睡眠をとることができることが分かりました。

■無垢の木の調湿効果

木材の調湿効果を実証するために分かりやすかったのは、布団を積層合板のフローリングと無垢のフローリングへ直接敷いた時です。
積層合板のフローリングに布団を敷くと、なんとなく湿っぽさを感じます。
しかし、無垢のフローリングでは全く湿っぽさを感じないという結果がでたのです。
また、無垢の木は石工ボードや布壁紙、ビニールクロスなどの材料と吸湿能を比較しても、かなり吸湿能に優れている結果もあります。

■無垢の木はリラックス効果のある香り

木の香りには、ストレス緩和や心身のリラックス効果に期待できます。
無垢材を使った部屋と新建材を使った部屋の揮発性成分量を相対量で比較すると、無垢材の部屋からは新建材の部屋よりも約3.7倍の香り成分が出されていることが検証で分かりました。
香り成分の大半を占めているセスキテルペン類の量の平均値は、気温が低い3月よりも、気温が高い6月の方が高いので、季節的な変化もあるようです。
どちらにしても、無垢材と新建材を比較すると、無垢材の方が香り成分が多く、リラックスできる空間にすることができるでしょう。

この結果から無垢材を使った住まいは良い空間を演出できることが分かりました。
しかし、木材には板目や柾目など力強い自然なデザインが多く、使い過ぎて逆に落ち着かない場合も考えられます。
全体的に木を重視するのではなく、木視率の目安を30~50%を目安にすることで、空間のバランスも保たれるでしょう。