注文住宅の新たな問題点

■デジタル社会の中での家づくり
私たちの生活が情報中心のデジタル社会となり、飛び交う情報量は10年前と比較しても比にならないほど増加しています。
建設・設備・建材・インテリアを扱う会社のホームページも大手に限らず中小企業のものも当たり前のように存在します。
そして私たち消費者もブログやSNSを通して、情報の入手・発信も手軽に出来るようになりました。
このような情報社会の中での家づくりに重要なことは、自分の感性に合う良い情報を選択していくことです。
では、自分の感性に合致する情報はどうやって取捨選択していったら良いのでしょうか。

■広告の衰退と、家づくりへの影響
マーケティング関係者は「ここ10年間広告の意味がなくなってしまった」と口を揃えて言います。
消費者は広告等の情報を鵜呑みにしなくなり、いま自分に必要な情報を自身で取捨選択する力が備わったからです。
また、流通する情報量が圧倒的に増えたことと、ソースの分からない情報が散在していることも原因の1つです。
いまま注意を引く事柄にはすぐ行動に移していた消費者も、いまでは行動の前に情報の検索・情報共有がきてしまい、なかなか行動に移さないという難点があるのです。
こういった消費者の行動プロセスに対して、家づくりに当てはめて考えてみましょう。
以前は家づくりに興味を持つ人は、まず住宅展示場に行き自分のイメージや欲求を膨らませて、体験を通してあらゆる情報を自身に記憶させていました。

しかし、現代の施主は住宅展示場に行くことはありません。
行動する前に情報を入手して、興味のあるものにしか目と耳を向けませんし、住宅展示場に行ったとしてもそれは自分の持っている情報の確認をしに行くことでしかないのです。
家を建てようとする人は様々な情報を集めて、より深く・より濃い情報を蓄積するようにしましょう。
情報を手に入れることに、寄り感性への働きかけがなされます。
この感性が働かないままでは、余計な情報に振り回されたり、失敗の原因となってしまいます。
良い情報の選択とは、情報の流れをつかみ取ることではなく、自分の感性に働き掛けるソースを見つけることなのです。