家づくりで子どもたちに伝えたいこと
似ているようで実は違う建築家と設計屋と建築士。
この違いをみなさんご存知でしょうか?
もしあなたが家づくりをするなら誰の力を借りたいですか?
■同じようで実は違う、大きな想い
住宅を「点」と例えた場合、街づくりは「面」になります。
今までに住宅の設計をしてきた中で、街づくりも関わってきた私は住宅と街は常に共同体として表情を持っていくことが必要だと考えています。
これをなくしては快適な暮らしは成立しません。
これまで建築業界が携わってきた家づくりは、心地よく住むためのものとして取り組んできたのではないでしょうか。
これは経済効率を高めるための街づくりと言えます。
今現在も無料で間取りをつくってくれる会社を見かけますが、家づくり=生き方です。
これを簡単に無料で提供してもよいのか疑問に思います。
建築家にはもちろん歴史的なことや社会学が必要になってきます。
単純に図面を書き続けていくことでなれるものではありません。
何十枚もの図面を書いても機械的な設計屋という枠にしかあてはまらないと言えるでしょう。
建築屋、設計屋、建築士と3つの呼び方がありますが、これは「作品」、「物件」、「商品」という呼び名を意味します。
家を建てる時にこれを理解しておかないと、イメージ通りのものと結果が違ってくることでしょう。
一生に一度あるかないかの家づくりはとても大変なことですが、何事もあきらめず続けていくことが次世代の子ども達にも、よい家づくりを伝えられることができるのではないでしょうか。
■建築家は作品ではない
残念なことに現代では、経済効果を最も基準とした考え方で住まいの尺度が捉えられています。
人と人との関係性や、人と自然との関わりも画一化してしまい、住みやすい暮らしを重視した単なる箱へと変化していきました。
この問題をもう一度再構築しようと考え、森林資源を循環したり、人に関わるものや自然を大切にし地域との関わりを呼び起こしています。
現在建築業界においても自然との関わりを一から追求して、暮らしとの対等な関係で成長し続けていくことを求めています。
時を超えて建築の本来持つべき力を発揮し50年、60年、100年先まで未来ある子ども達によりよい風景を残していけるよう考えています。